一般社団法人インダストリスパコン推進センター ≪ISCPC≫

一般社団法人インダストリスパコン推進センター

法人概要

法人格 一般社団法人
法人名 インダストリスパコン推進センター
(Industry SuperComputer Promotion Center - 略称:ISCPC)
設立 2019年2月4日
所在地 〒102-0084
東京都千代田区二番町5番地2 麹町駅プラザ 【アクセス】
電話番号 03-6805-3277
FAX番号 03-6206-1132
役員
  • 【代表理事】塚越 眞(つかこし まこと)
  • 【理事】髙村 守幸(たかむら もりゆき)
  • 【理事】桃井 正典(ももい まさのり)
アドバイザー
  • 白井 克彦(早稲田大学 名誉顧問)
  • 大崎 俊彦(特定非営利活動法人 VCADシステム研究会 理事)
  • 小林 広明(東北大学大学院情報科学研究科教授)
  • 横川 三津夫(神戸大学大学院システム情報学研究科教授)

代表理事の挨拶

日本の民間企業で、Fortranを駆使して技術計算ニーズを一手に引き受けていた現場から要員がいなくなってしまって久しいです。原因は色々あるでしょうが、経営側が短期的損益ばかりに気を取られ、数年以上利益を生まない要員を抱える余裕がなくなってしまったのが主因でしょう。

辛うじて、残った要員にできることと言えば、急速に存在価値を高めてきた外国製アプリケーションパッケージの採用でした。一度使いだすと、入力データ、出力データの標準化、各種用意されているソルバーの使いやすさなど、どっぷり漬かってしまい、もはや抜け出す気力もなくなってしまいます。

現在では、我が国のアプリケーション市場において、金額ベースでは、外国製アプリケーションパッケージの占める割合は、恐らく99%以上になるものと思われます。供給側は、大きい利益を得、更に痒いところに手が届くようなサービス向上に向けて強化していくというポジティブフィードバック構造となっています。
しかしながら、外国製アプリケーションパッケージは、概ね高価であり、日本の製造業を支えてきた中小企業では、とても手が出ない状況です。

一方、半導体の微細化が進むにつれて、1980年代後半から世界を席巻した日本のお家芸といえるスーパーコンピュータもどんどん価格が下がり、2002年に、1TFLOPSが10億円していたノードが、今日では、2TFLOPSで100万円にまで下がっています。価格性能比は実に2,000倍となり、特別の環境条件を必要とせず机上に置くことが可能になってきました。

しかし、ソフトがなければ唯の箱です。膨大なインテル系命令セットを資産にもつ外国製アプリケーションを、スーパーコンピュータ向けにポーティングを行うことはせず、どうしても必要とあれば、スーパーコンピュータベンダからの依頼により、有償で引き受けるベンダーもありますが、断られるケースも多いです。

無償のソフトとして知られるOSS(Open Source Software)は、世界中の知恵を集めて、日夜改良が続られており、使い方次第ではありますが、部分的には、有償パッケージに肉薄した処理を行えるレベルに達しているものがあります。数少ない国産アプリも、ユーザ要件によっては、GUI、プリ・ポストの多少の手直しを加えれば使えそうなものがあることも事実です。
一方、只ほど高いものはないという事実もあり、中小企業ユーザの数値解析業務に精通し、ボトルネックがなにかを指摘でき、モデル化、メッシュ切りなどができるサポート要員もおいそれとは雇えない現実があります。

スーパーコンピュータのソフトウェア技術者が続々定年を迎えていく中で、頭も手も動くプラチナ人材を、活用するための方策について関連官庁と検討を重ねる一方、中小企業、ISV(Independent Software Vendor)、コンピュータメーカと、ソフトウェア技術者不足の解消方策やIT基盤の高度化について打ち合わせを続ける過程で、中小企業、ISV、コンピュータメーカの間の相互連携を確立する必要性を各々が強く認識するに至りました。

このような背景のもと、関連官庁、中小企業、ISV、コンピュータメーカ、研究機関の連携・支援を得て、プラチナ人材の有する優秀な技術を提供することにより、業界・中小企業の課題解決、スーパーコンピュータ アプリケーションの開発・普及、および中小企業に適合したスーパーコンピュータの普及に貢献することを目標として、インダストリスパコン推進センター(ISCPC)を立ち上げました。
広く皆様のご賛同とご支援をいただき、インダストリスパコンの実現に向け活動を推進してまいります。

2019年4月
初代代表理事 平野 哲